文理幼稚園を大好きになった理由
子どもはもちろん、親にとっても初めての幼稚園生活。我が家は県外から転勤してきたため 徳島の育児事情については全く知識が無く、とにかく何がわからないのかもわからないというような状況で入園式を迎えました。そんな親の不安を感じたのか、息子は式の間ずっと泣きっぱなし。
私達のような親子が、こんな立派な幼稚園に入園してしまって良かったのだろうか…。困惑する私に、当時 先生が掛けてくださった 言葉があります。
「お母さんと離れるのが嫌だと泣いてしまうのは、〇〇くんにとって お母さんが安心できる人という証なんです。これからは、幼稚園も〇〇くんにとって だんだん安心できる場所になっていきますよ。」
幼稚園では、親子それぞれに「信頼できる先生やお友達との出会い」がありました。入園してから慣れるまでしばらくは 朝泣くこともありましたが、お迎えにいくと お友達と楽しそうに過ごしており、子どもなりに自分の居場所を見つけた手ごたえを感じているようでした。
大人同士の ぎこちない挨拶から始まった関係も、毎日顔を合わせるうちに自然と会話が増えていき、気がつくと私自身も幼稚園にいくことが 楽しみになっていました。些細な相談にも親身にこたえてくださった先生方は 私にとっても恩師であり、同じ時期に同じ年頃の子どもの悩みを分かち合ったお母さん達は 生涯の友人です。
幼児期は、子どもの感性や情緒が ぐんと発達する大切な時期だといわれています。広大な施設のなかで四季折々の行事や 年次に合った遊びを教わり、たくさんの絵本に出会い、大学のむらさきホールで本格的な音楽鑑賞をしたり、専任の先生による特設保育や 学生さん達との関わりがあったりと、大学附属ならではの「本物に触れる機会」をたくさんいただきました。
空き箱や 木の実を使って工作をしたり、土にまみれてお野菜や動物のお世話をしたり、力いっぱい走り回って、歌って踊って、キラキラの汗をかく。ここでしかできない「子どもらしい毎日」を過ごせました。
文理幼稚園という最高に恵まれた環境のもとで過ごした日々は私達親子にとって かけがえのない財産です。文理幼稚園でお世話になった二人の子どもたちは 小学生になった今でも、時々 懐かしそうに幼稚園の思い出話をしたりしていますよ。